2026年1月11日 参拝
天気 晴れのち曇り
気温 13℃/-1℃(参拝時は体感10℃以下でかなり寒い)
混雑

京都府京田辺市にある「酬恩庵(一休寺)」。
とんちで有名な一休さんゆかりの寺として知られていますが、実際に訪れてみると、観光寺院とは少し違う、静かで凛とした空気に包まれたお寺でした。

冬の朝9時半、誰もいない境内をひとり歩いた体験は、想像以上に心に残るものでした。

冬の朝9時半、誰もいない一休寺を歩く体験

この日は1月の三連休中の日曜日。
にもかかわらず、一休寺に到着した朝9時30分頃、参拝者の姿は見当たりませんでした。

空気はキンと冷え、吐く息が白くなるほど。
その静けさの中で聞こえるのは、風の音と遠くの車の走行音だけです。

「一休さん」で有名なお寺なのに、こんなに人がいないのか…と少し驚きました。

一休寺のアクセスと駐車場情報【電車・車】

車で訪れた場合は、参道入口に広めの駐車場があります。

  • 駐車料金:500円
  • 収容台数:約30台

電車の場合は、

  • 近鉄「新田辺駅」から徒歩約25分
  • JR「京田辺駅」から徒歩約20分

近鉄新田辺駅前には一休さんの銅像もあり、すでにここから「一休寺気分」が始まります。駅からは車通りのある道を西へ歩き、少しずつ古い街並みに変わっていくのが印象的でした。

境内に入ってまず感じた一休寺の手入れの良さ

一休寺の第一印象は、とにかく「きれい」。

冬で落ち葉が多い季節にもかかわらず、境内にほとんど落ち葉が見当たりません。
後で気づいたのですが、境内には専門の庭師の方がいて、ちょうど手入れをされていました。

この時点で、このお寺がとても大切にされていることが伝わってきます。

石畳と三本杉、そして本堂へ続く美しい導線

山門をくぐると、ゆるやかな上り坂の石畳が現れます。
この石畳を進んでいる間、まだ本堂などの建物は見えず、正面には有名な「三本杉」だけが見えています。

視線が自然と奥へ奥へと導かれていく感じが、とてもよく計算された景観だと感じました。

石畳を上りきったところが拝観受付です。

  • 拝観料:600円
  • 駐車場代:500円(車の場合ここで一緒に支払い)

受付を曲がると、今度は本堂へ向かって一直線に伸びる石畳が現れます。
左右には紅葉の木が並び、秋ならきっとトンネルのようになるのでしょう。
冬でもその美しさは十分に想像できました。

途中には、一休禅師のお墓(宮内庁管理の陵墓)があり、門の外から手を合わせることができます。

方丈と南庭|一休寺でいちばん心が落ち着く場所

拝観順路に従って進むと方丈へ。
ここで靴を脱ぎ、建物の中に入ります。

板張りの床と木の香り、ひんやりとした空気。
それだけで自然と背筋が伸び、心が落ち着いていくのがわかります。

南側の庭に出ると、白砂が敷き詰められた美しい庭園が広がっています。
白砂には波のような線が何本も描かれ、しかも完全に平らではなく、わずかな起伏があるのが特徴的でした。

以前訪れた東福寺の南庭とはまた違う、不思議な魅力があります。

軒に腰を下ろし、冬の朝の低い太陽を浴びながら、冷えた体が少しずつ温まっていくのを感じつつ、ただ黙って庭を眺める時間。
この時間だけでも、一休寺に来た価値があったと思いました。

寒い冬の朝、軒に腰を下ろして静かに眺める庭は不思議と気持ちが落ち着き、ゆっくりと心を整えることができる魅力的な場所でした。

一休寺の御朱印は、方丈内で拝受することができます。
初穂料は500円で、御朱印帳への直書き対応です。
方丈を静かに拝観している間にご記帳してくださるため、拝観を終える頃には受け取ることができました。

御朱印目的で訪れても、拝観の流れの中で無理なくいただける点は好印象でした。

一休禅師像と本堂の仏像は少し見えにくい

方丈には一休禅師の像が安置されていますが、立ち入り禁止のため、二間ほど離れた場所からしか見ることができません。
正直、かなり遠く、はっきりとしたお顔まではわかりませんでした。双眼鏡があれば…と思ったほどです。

本堂も同様で、中には入れず、開かれた扉の外から拝む形になります。
中央に釈迦如来、その両脇に脇侍がいらっしゃるのが、薄暗い中でシルエットとして見える程度。

「仏像をしっかり見たい」という目的だと、少し物足りないかもしれません。

宝物殿と「このはしわたるべからず」の逸話

宝物殿には、一休禅師ゆかりの掛け軸や書状などが展示されています。
さらに、狩野探幽が描いた襖絵も展示されています。

スペースはそれほど広くなく、さっと一周できる規模ですが、セキュリティが厳重そうな雰囲気でした。

途中には有名なエピソード「このはしわたるべからず」の立て札と小さな橋があり、思わずほっこりしてしまいます。

所要時間・服装・設備まとめ

この日はかなりゆっくり歩いて、滞在時間は約1時間半ほどでした。

  • 境内には階段や坂道があるので、歩きやすい靴がおすすめ
  • トイレは2か所ほどあり
  • 自動販売機やゴミ箱は見当たらず(持ち帰り前提)

正直な感想|一休寺はどんな人におすすめ?

一休寺は、観光地のお寺とは少し違った、落ち着いた雰囲気のお寺です。
伽藍の配置や景観の美しさがとても印象に残りました。

仏像鑑賞をメインに考えている人には、少し物足りないかもしれません。
しかし、「お寺を歩く」「お寺の空気を楽しむ」という意味では、かなり満足度の高い場所です。

春・夏・秋・冬、どの季節に訪れてもハズレがなさそう。
個人的には、静かな時間を過ごしたい人や、ゆっくりと心を整えたい方にこそおすすめしたいお寺でした。