2026年7月4日、朝10時ごろ、京都府宇治市にある三室戸寺(みむろとじ)を訪れました。

三室戸寺といえば、やはり「あじさい寺」というイメージが強いお寺です。

今回訪れた目的も、境内を彩る紫陽花を見ること。

ただ、7月初旬ということで、ひとつ気になっていたことがありました。

「まだ紫陽花は楽しめるのだろうか?」

2026年のあじさい園は7月5日まで開園していたため、まさに終了間際のタイミングでした。実際に歩いてみると、まだ十分に楽しめる紫陽花がある一方で、少し萎れ始めた花や、品種によっては見頃を終えたものも。

色とりどりの紫陽花を一番きれいな状態で楽しみたいのであれば、やはり6月中がおすすめだと感じました。

それでも、少しずつ季節を終えようとしている紫陽花には、満開のときとは違う静かな余韻があります。

そして、紫陽花を過ぎた先では、今度は蓮の花が境内を彩っていました。

この記事では、7月初旬に実際に三室戸寺を歩いて感じたことを中心に、見どころや御朱印、所要時間、アクセスなどをご紹介します。

「人の多い観光地を慌ただしく巡るより、花や緑を眺めながらゆっくりお寺を歩きたい」

そんな方には、ぜひ読んでいただきたい三室戸寺の参拝記です。

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三室戸寺の基本情報|約1200年の歴史を持つ宇治の古刹

三室戸寺は、京都府宇治市にある本山修験宗の寺院で、西国三十三所の第10番札所です。

宝亀元年(770年)、光仁天皇の勅願によって創建されたと伝えられています。

三室戸寺の本尊は、千手観世音菩薩。

寺伝によると、宇治の山中に現れた観世音菩薩を本尊として安置したことが、三室戸寺の始まりとされています。

現在の本堂には本尊が安置されていますが、秘仏のため普段ははっきりと拝することができません。

私自身、寺社巡りでは仏像を見ることも楽しみのひとつなので、今回、本尊をじっくり拝見できなかったのは少し残念でした。

拝観時間は、
4月1日から10月31日までは8時30分~16時30分、
11月1日から3月31日までは8時30分~16時。

2026年の拝観料は大人1,000円、小人500円です。

三室戸寺は、あじさいだけでなく、梅、ツツジ、蓮、紅葉など四季折々の花を楽しめる「花の寺」としても知られています。

三室戸寺境内の不動水と紫陽花境内にある「不動水」。紫陽花の花が彩りを添え、思わず写真を撮りたくなる鮮やかな景色でした。

三室戸寺の見どころ|花を眺めながら、ゆっくり歩きたいお寺

紫陽花を見下ろしながら歩く参道

受付で拝観料1,000円を支払い、境内へ。

そこから本堂へ向かって、少し上り坂の参道を歩いていきます。

夏の日差しの中では、正直なところ少ししんどい坂道です。

けれど、右側に広がる景色を見れば、その疲れも少し忘れてしまいます。

斜面一面に広がる紫陽花。

今回の私は7月初旬だったため、満開の紫陽花がどこまでも続く……という状態ではありませんでした。

白い紫陽花を中心に、ところどころに花が咲き、緑の葉が大きく広がっています。

満開の華やかさを期待していたので、最初は少しだけ物足りなさを感じました。

ところが、しばらく眺めていると、この時期の紫陽花も悪くないと思うように。

大きく育った緑の葉と、少し控えめになった花。

夏へ向かっていく境内の空気の中では、むしろこのくらいのバランスが可憐に感じられました。

満開だけが花の美しさではない。

そんなことを思わせてくれる景色でした。

見頃終盤の三室戸寺の紫陽花園を遠くから眺めた景色紫陽花の見頃も終盤を迎えた7月初旬。人もまばらで、花を眺めながらゆっくりと散策できました。

本堂へ続く石階段と、少し怖くて印象に残る「宇賀神」

坂道を上っていくと、本堂へ向かう石階段が現れます。

中央には手すりがあるので、足元に不安がある方は無理をせず、手すりにつかまりながらゆっくり上るのがよさそうです。

そして階段を上り切ったところで、最初に目に飛び込んできたのが「宇賀神」でした。

正直に言うと、最初に見たときは少し怖い。

とぐろを巻いた蛇の身体に、人の顔。

なかなかインパクトのある姿です。

ところが、この宇賀神には、福・健康長寿・金運につながるご利益があるとのこと、

像の前には、「耳をさわれば福がくる、髭をなでると健康長寿、しっぽをさすれば金運がつく」との文字。

「見た目だけで判断してはいけないな」と、少し反省。

怖そうに見えた宇賀神が、実はかなり頼もしい存在だったことも、今回の参拝で印象に残った出来事でした。

三室戸寺境内にある蛇の姿をした宇賀神像少し怖そうにも見える三室戸寺の宇賀神。耳をさわれば福、髭をなでれば健康長寿、しっぽをさすれば金運のご利益があるとされています。

紫陽花から一転、境内を彩る蓮の花

本堂へ向かうと、そこには紫陽花とはまったく違う景色が待っていました。

一面に広がる蓮の葉。

大きく青々とした葉が重なり、その間から蓮の花が顔を出しています。

まだつぼみのものも多く、これから咲こうとしている花もたくさんありました。

紫陽花の季節が終わりに近づく一方で、今度は蓮の季節が始まっている。

同じ境内なのに、少し歩いただけで季節が移り変わったように感じます。

三室戸寺の蓮の種類は100種類もあるそうです。蓮は7月ごろから咲き始め、午前中に花が開くそうです。

そのため、蓮を目的に訪れるなら、今回のように午前中の参拝がおすすめです。

2026年の年間行事でも、蓮園は6月下旬から8月上旬の開園予定となっていました。

本堂と蓮と、背後の深い緑

今回、個人的に特に好きだったのが本堂周辺の景色です。

本堂の前には蓮の花と大きな葉が広がり、その奥に本堂。

さらにその後ろには、明星山の深い緑。

花だけを見るのではなく、花と建物と山の緑が一緒に見えることで、いかにも山のお寺らしい景色になっています。

この日は曇り空だったので、青空の下で見れば、もっと違った表情になったのだろうと思います。

それでも、曇り空と深い緑には、どこか落ち着いた雰囲気がありました。

写真を撮る人も多かったですが、本堂、蓮、三重塔など見どころがそれぞれにあるため、人が一か所に集中する感じではありません。

写真を撮りながら、自分のペースで歩けたのもよかったところです。

蓮園越しに見る三室戸寺の本堂と背後の緑豊かな山蓮の柔らかな緑越しに眺める三室戸寺の本堂。さらにその奥には深い山の緑が広がり、花と自然とお寺が美しく重なっていました。

木々に包まれた三重塔

本堂のすぐ近くには三重塔があります。

三室戸寺の三重塔は室町時代(1460年頃)建立とのこと、歴史を感じます。

朱色の塔が印象的ですが、周囲を深い木々に囲まれているため、華やかさだけではありません。

むしろ、木々の中にひっそりと建つ姿には「山寺」と呼びたくなるような雰囲気があります。

花の季節に訪れると、どうしても花に目が向きますが、少し視線を上げて周囲の木々や建物にも目を向けると、三室戸寺らしい静けさを感じられると思います。

木々に囲まれた三室戸寺の三重塔深い木々に包まれた三室戸寺の三重塔。花の寺でありながら、山寺らしい静かな存在感を感じさせてくれます。

巨大な兎の像も見逃せない

境内には、御影石で造られた大きな兎の像もあります。

高さ150cm、幅90cmほどある巨大な兎で、抱えている球の中にある卵型の石が立てば、願いが通じるといわれています。

近くの宇治神社や宇治上神社など、宇治には兎にまつわるスポットもあります。

大きな兎の姿はなかなかインパクトがあり、それでいてどこか可愛らしい。

写真を撮るのにも向いているスポットだと思いました。

三室戸寺境内にある大きな御影石の兎像境内でひときわ目を引く、大きな御影石の兎像。思わず足を止めてしまう存在感に、願いが叶うことをそっと祈りました。

三室戸寺は「パワースポット」というより、心を休める場所

今回の参拝で感じたのは、三室戸寺は「強いパワースポット」というより、花や緑を眺めながら、日々の喧騒から少し離れて気分をリフレッシュする場所なのではないか、ということでした。

もちろん宇賀神や兎など、願いにまつわる場所はいくつもあるので「願掛けスポットは多いです。

けれど、それ以上に印象に残ったのは、境内全体の自然の多さです。

紫陽花を眺め、蓮を眺め、木々に囲まれた三重塔を眺める。

そうして歩いているうちに、いつの間にか時間がゆっくりになっていく。

一人で静かに参拝したい人にも、夫婦で花を眺めながら歩きたい人にも、向いているお寺だと思います。

三室戸寺の御朱印・お守り情報

三室戸寺は、西国三十三所の第10番札所です。

通常の御朱印として「大悲殿」や御詠歌などがあり、季節に合わせた限定御朱印もたくさん授与されています。
御朱印の種類は時期によって変わるため、訪問前に公式サイトで確認するのがおすすめです。

通常の御朱印は1件300円~500円。
6月中と正月3日間は書置きのみとのことです。

今回は7月に参拝したので御朱印帖へご記帳いただけました。

御朱印の受付は4月~10月が15時40分まで、
11月~3月は15時10分まで。12時~13時は受付が停止されます。

また、宇賀神をモチーフにした金運のお守りや、紫陽花にちなんだお守りなど、三室戸寺らしい授与品もあります。

三室戸寺の参拝ポイント|ゆっくり見るなら早めの時間がおすすめ

所要時間はどれくらい?

今回の滞在時間は約1時間半でした。

紫陽花や蓮を眺めながら写真を撮り、本堂や三重塔などを見て回るには、1時間半ほどでも十分楽しめました。

ただし、花の見頃の時期や混雑状況によっては、2時間以上見ておいたほうがよいと思います。

特に紫陽花の最盛期は人気が高く、多くの人が訪れます。

混雑を避けるなら午前中がおすすめ

今回、7月初旬の朝10時ごろに訪れたときは、観光客もそれほど多くなく、比較的ゆっくり散策できました。

そして、私がお寺を出るタイミングで観光バスが到着。

「もう少し遅かったら、雰囲気が違っていたかもしれない」と感じました。

ゆっくり写真を撮りながら歩きたい方や、人の少ない時間帯を狙いたい方は、できるだけ早い時間に訪れるのがおすすめです。

特に蓮は午前中に花が開くため、花を見るという意味でも朝の参拝と相性がよさそうです。

三室戸寺の石庭横にある池泉と咲く紫陽花石庭の横にある池泉。水辺に咲く紫陽花が、景色にそっと彩りを添えていました。

三室戸寺へのアクセス・駐車場

電車で訪れる場合

  • 京阪宇治線「三室戸駅」から: 徒歩約15分
  • JR奈良線「宇治駅」から: 徒歩約30分

車で訪れる場合

  • 京滋バイパス「宇治東IC」から: 約3分

有料の駐車場がお寺の前にありますが、少し狭く、台数もそれほど多く停められなさそうでした。紫陽花など花の見頃となる時期の土日は駐車場の混雑が予想されるため、公式サイトでも公共交通機関の利用が案内されています。

まとめ|季節が変わるたびに訪れたくなる「花の寺」

今回、三室戸寺を訪れて感じたのは、「一度見れば終わり」というお寺ではないということでした。

6月には紫陽花。

7月になると、少しずつ蓮へ。

そのほかにも、春にはしだれ梅やツツジ、秋には紅葉など、季節によって境内の表情が変わります。

2026年度も、しだれ梅、ツツジ、あじさい、蓮など、それぞれの季節に合わせた花の公開が行われています。

今回の私は、紫陽花の見頃の終わりかけに訪れました。

満開の紫陽花を見ることはできませんでしたが、少し萎れた花や、緑の中に残る白い紫陽花にも、季節の余韻のような美しさがありました。

そして、その先では蓮が咲き始めていました。

花が終わることは、次の花の季節が始まることでもある。

そんなことを、静かに感じさせてくれた参拝でした。

三室戸寺は、華やかな花を楽しみたい人はもちろん、

・人混みを避けてゆっくり歩きたい人、
・自然の中で気分をリフレッシュしたい人、
・一人で静かに寺社を巡りたい人、
・夫婦で季節の花を楽しみたい人
にもおすすめです。

次に訪れるなら、今度は紫陽花が一番美しい6月に。

そして、また別の季節にも訪れてみたい。

そう思わせてくれる、宇治の「花の寺」でした。